No.007
京都 下鱗形町ホテルホテル事業
御影町計画のブランドコンセプト「日本的な情緒を随所で感じ住むように泊まれるホテル」を踏襲した2号店。外観から内観の細部に至るまで、和をモチーフとした繊細なデザインにより、ゲストへ日本の空間体験を提供する。外観を印象付ける繊細な木格子と高い塀により囲まれた本施設は、まるで隠れ家のように街並みの喧噪から閉じて佇む。暖簾をくぐってアプローチした先にあるのは壁のように大きな玄関扉。ゆっくりと扉が開くと、格天井が印象的なロビーに辿り着く。ゲストの集うこのロビーは、狭いながらも天井が高く、またガラスを介して坪庭と一体的に繋がる。囲われつつも開放的で、丁度過ごしやすい空間として演出している。客室においても、全客室で小上がり付きの布団を採用し、泊まりながら日本文化を体験できるホテルを目指した。
No.006
京都 御影町ホテルホテル事業
ブランドコンセプト「日本的な情緒を随所で感じ住むように泊まれる住亭」をベースに、宿泊によって日本文化を体験できるホテルを目指した。玄関先で靴を脱ぐ、布団を敷く、といった文化体験に加え、畳や障子、襖、広、網代などの和をモチーフとしたデザインの客室によって空間体験を提供する。また、交通量の多い新町通り沿いに位置する本施設では、塀や格子により街並みの喧噪から閉じ、路地の様なアプローチをして、坪庭を配した開放的なロビーへと辿る、といった京都独自の町家構成を踏襲したシークエンスにより施設への導入を図っている。施設正面には印象的な塀が構え、隠れ家に入るような特別感を訪れるゲストに与える。外観においても、町家構成を踏襲しながら、伝統とモダンの融合したデザインとした。
No.005
京都 中堂寺北町Ⅱホテルホテル事業
メゾネット型の客室が連棟する長屋形式の旅館。小さな路地を介して、手前奥に分かれたそれぞれの客室へと繋がる。この路地空間は、焼杉板の塀や灯篭の配置により、京都の街並みを表現している。1室50m²前後と、1棟貸し旅館の中では比較的コンパクトなサイズだが、その中に通路 → 土間 → 和室 → 裏庭へと連続的に繋がる「京町家のしつらえ」を凝縮して取り入れている。外観を構成する木格子や暖簾掛け、犬矢来もその一つ。京都独自の景観に溶け込むデザインとしている。また2つの客室はそれぞれ異なる構成としており、客室Aは細く長い通路を抜けた先に、坪庭へと開いた和室が現れる連続的な構成に対し、客室Bは玄関から和室と坪庭、さらに吹抜けを介して2階へも一体的に繋がる構成。それぞれで異なる過ごし方をして頂けるよう心がけた。
No.004
京都 佐竹町ホテルホテル事業
賑やかな四条通りから幅員4mの細い岩上通りへ入ると、閑静な住宅街がひろがる。その中に、木格子のルーバーで4階建ての全面が構成された本施設が佇む。細い道路の中で、周辺の住宅街に圧迫感を与えないよう空地を取りつつ、また街並みになじみやすいよう和瓦による軒庇や木格子を表現したルーバーを用いている。この木格子のルーバーは、開放性と遮蔽性の両方を満たすために平行四辺形の型をした特注品を採用している。夜になると間接照明で印象的に照らされ、住宅街の中に浮かび上がる。閉鎖的な外観を一歩中へ入ると、天井が高く白で構成された明るいロビーが広がる。その後、黒で構成され照度も最小限まで落とした共用廊下を抜け、ナチュラルな木が際立つミニマルデザインな客室へと入る。宿泊客の連続的なシーンで、非日常的な宿泊体験を提供するホテルとしている。
No.003
京都 西新屋敷ホテルホテル事業
京都の歴史的施設が多く点在する島原エリアに位置する本施設。約17m²のツインルーム8室で構成される小規模なホテル。本施設は完成後にオーナーチェンジによるホテルブランドの再構築を行った。各所に点在する京都市内の観光地を巡る旅行者にとっての「くつろぎの場」をコンセプトとしたホテルへとブランディングを図るとともに、デザインを加えて施設の付加価値向上を行った。観光客に対して京都の町家体験を提供するようなホテルではなく、インバウンドにとっても長期滞在しやすいよう居住性を重視し、またくつろぎを与えられるよう照明計画や家具デザイン・カラー設定などの点で細かい演出にこだわった。一方で外観については、歴史的地区の景観に馴染むよう、虫籠窓をモチーフとしたデザインや簾、行燈の採用により、京都町家をイメージしたデザインとしている。
No.002
京都 中堂寺北町ホテルホテル事業
既存建物は住居で、かつ建蔽率を約20%程超過した違法建築だった。今回住宅から1棟貸の旅館へとコンバージョンすると同時に、適法に戻すべく大幅な減築も併せて行った。外観は既存ファサード部を減築により解体したため、新たに京町家の要素を施して顔づくりを行った。また減築により前庭とアプローチ空間が生まれ、単に適法措置だけでなく、旅館としての付加価値向上にも繋げる事ができた。
No.001
京都 壬生坊城町ホテルホテル事業
メゾネット型の客室が連棟する長屋形式の旅館。1室49m²と、1棟貸し旅館の中では比較的コンパクトなサイズだが、その中に通路 → 土間 → 和室 → 裏庭へと連続的に繋がる「京町家のしつらえ」を凝縮して取り入れている。外観を構成する木格子や暖簾掛けもその一つ。京町家体験を目的とした宿泊者に対する雰囲気の演出を加え、一方でナイロン製素材の畳や水廻り設備は、宿泊者の居住性を重視した商品を採用し、長期滞在者にとっても快適に過ごしやすい施設とした。限られた中で少しでも宿泊客に京都らしさや非日常空間を感じて頂けるよう、インテリアの色づかいや照度などの点でも、細かい演出にこだわった。